【トイファクトリー / バーデン】キャンピングカー<ダイレクト排水>タンクの排水の手間を省いて面倒を解決!!
~ グレー排水をダイレクト排水に架装性UPで合理的に ~
自然を満喫!絶景viewスポットで一期一会の出会い!日常から離れてゆったりと充実した時間を満喫して心のエネルギーチャージも満タン!キャンピングカーは大変機動力のある車です。最低限のギアは車内に揃っていて、すぐにでも出立する事も可能です。その反面、面倒な一面があるのも事実です。その中でもグレー排水は、キャンパーを現実に引き戻してしまう程、避けて通る事が出来ない現実問題です。
特に自炊派キャンパーにとってグレー排水は、タンクに溜まった排水を何度も捨てに行かなければならなかったり、異臭の原因になったりと手間のかかる存在です。
キャンプの日程が長くなればなる程、快適さが求められます。今回ご依頼を下さったお客様もまさしくグレー排水の部分が改良出来ないかというご依頼でした。そんなお客様のお言葉に応えるべく門真の整備士がグレー排水の架装性UPに取り組みましたのでまとめます。
●お預かりしたお車
メーカー:トイファクトリー
ブランド:バーデン
キャンピングカー専門雑誌「オートキャンパー」で年間1位を獲得した事も有る人気のモデルです。ベース車になっているのはトヨタ ハイエースのロング。乗車定員7名(就寝定員4名)で、キッチン家具、冷蔵庫&シンク(ギャレー)が標準装備されたキャンピングカーになります。
なお、今回お預かりしたお車は8ナンバーのキャンピングカーになる為、水道設備に関して構造要件を満たす必要があります。詳しくはこちらをご覧下さい。
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【 8ナンバーとはどんな車なのか?8ナンバー登録手続きや構造変更について解説 】
●キャンピングカーのシンク(ギャレー)下の2つのタンク
給水用の清水タンクは、キャンピングカーに搭載したサブバッテリーシステムで発電した電気を利用して、電動ポンプで汲み上げています。
シンクの下には、2つのタンクが設置されています。給水用の清水と排水の2つで、どちらも13ℓのタンクになります。13ℓと聞くと「たったそれだけ?」と思われるかも知れませんが、水が無くなったら汲みに行かないといけないですし、排水タンクがいっぱいになったらこれまた、捨てなければいけません。逆に10ℓ以下もNGになります。キャンピングカーの構造要件として「10ℓ以上の水を貯蔵できるタンクと10ℓ以上の排水を貯蔵できるタンクを有している事」という要件を満たす必要があるからです。その為可搬式のタンクは10ℓ~20ℓ位が一般的な容量になります。
とは言え、容量が少ないという事は何度も同じ作業を繰り返さなければいけません。今回は、 この可搬式タンクの内、排水タンクを固定式にする事で手間を省こうという計画です。タンクを持ち運ぶ手間が無くなります。
●新設の排水タンクの設置と費用
水道設備の内、「水タンクとタンクに付帯する配線及び配管については床下等に配置しても差し支えない。」と定められています。
今回はまず、車両底に新設の排水タンクを取付けました。排水ホースは、床に穴を開けてシンク(ギャレー)からの排水を床下のタンクに繋がる様に設置します。
無事完成です!これで、排水タンクを車外に持ち出して、タンクの水を手作業で排水する面倒が解決出来ます!水として考えたら“たったの13ℓ”でも、持ち出そうと思ったら13ℓ=13㎏です。排水する場所(家の下水やダンプステーションや)まで運ぶのは一苦労です。せっかくのキャンプですから最後の最後までとことん楽しく過ごしたいですよね。
今回の費用はおおよそ10万円程度ですが、構造変更する事でお客様のカーライフ(キャンピングライフ)の向上を提案させて頂きました。架装性をアップする事で、キャンピングライフの面倒を合理的に省く事が出来ます。その結果、お客様にとって少しでも有意義な時間が増え、プラスになるお手伝いが出来たのであれば、門真の整備士にとっても何より嬉しい結果です。これからもお客様の立場に立って提案&サポートをさせて頂きたいと思っています。キャンピングカーの構造変更や架装性のご相談につきましてはお気軽にご相談下さい。遠方のお客様にも多くご利用頂いております。
●排水タンクを綺麗に保つコツ
ここまでは、キャンピングカーの水回り(グレー排水)についてお届けしました。実際に架装性をアップする事で、利便性が高くなり手間は省けます。しかし、キャンピングカーから出た排水は、家にいる時の様に下水処理場が綺麗にしてくれるわけではありません。
今回、架装性がアップした事で、排水タンクを持ち出し手作業で排水するという面倒は解決しましたが、排水タンクには汚れや雑菌が残っています。蓄積した汚れは悪臭の原因にもなりますし、衛生的にも良いとは言えません。
汚れを放置したままにすると、雑菌やカビの原因になりますし、タンクそのものが痛む原因にもなります。その為にもまずは一手間を大切にして下さい。油汚れ等は最初にティッシュ等で拭き取っておく。固形物や匂いのきついものは別に捨てる様にして排水タンクに入らない様にする等です。
次にタンクの洗浄ですが、可搬式のタンクであれば、水で何度も濯ぎ洗剤等で洗浄する様にしましょう。固定式のタンクの場合は、タンクの種類によって変わってきますが、ホースで直接タンクに水を入れて洗浄する。またはシンク側から水を流しては(タンクに入れては)抜きを繰り返す等しましょう。
最近ではキャンピングカーのタンク専用の洗浄剤も販売されていますので、上手に利用してメンテナンスしましょう。但し、ハイターなど塩素系洗剤と酸性洗剤を同時に使用すると有毒な塩素ガスが発生する恐れがありますので、注意しましょう。
種類 | 塩素系洗剤 | 酸性洗剤 |
主成分 | 主成分は次亜塩素酸ナトリウム | 塩酸、硫酸、硝酸、シュウ酸、クエン酸 |
特徴 | カビ汚れの除去やシミ、汚れに効果がある。 お風呂場のカビ取り、台所漂白や油汚れ、排水溝クリーナー等。 塩素系漂白剤は強アルカリの為タンパク質(油脂汚れ等)を分解する。 | アルカリ性の汚れに効果がある。 キッチンの水垢、お風呂場の石鹸カス、トイレの黄ばみや尿石を落とす。 金属やタイル、コーキング剤等の目地材にも損傷を与える。 |
【混ぜると危険な組み合わせの例】
・塩素系漂白剤とクエン酸(レモン等もNG) ・塩素系漂白剤と酸性のもの(酢) ・塩素系カビ取り剤とトイレ用洗剤やお風呂の洗剤 ・塩素系漂白剤と酸性の洗濯洗剤(除菌に特化したものは酸性のものが多い) ・素系漂白剤と消毒用アルコール(この二つが混ざるとクロロホルムというガスが発生します) |
最後にキャンピングカーを使用しない間は、タンクを空にして乾燥させておく様にしましょう。
●まとめ
キャンピングカーは、車であると共に居住スペースを有しています。様々な設備が備わっていて、普段とは全く違う楽しさがあります。それだけに慣れてくると長距離移動も多くなってきますし、比例して排水やゴミ等が出ます。
昔は「キャンピングカーの排水=垂れ流し」、なんて滅茶苦茶な時代もありました。もちろんこれは不法投棄に当たります。
自宅で排水するのが一番ですが、旅程が長く途中排水が必要な場合は、キャンプ場やRVパーク等のダンプステーション(汚水処理施設)の設備を利用して処理する様にしましょう。グレー排水だけどそんなに汚れてないからと、側溝等に流すのは違反です。
排水やゴミの処理については、キャンピングカーを利用する人の多くが一度は通る課題ですが、それだけに水の有難さを痛感します。日本は有難い事に水の豊かな国です。インフラが整備されているので、普段は蛇口をひねれば当たり前の様に水が出て来て、且つその水はとても安全です。
普段意識する事の少ない水の有難み、キャンプを通じてまた違う学びが有るのかも知れません。キャンプは資源(水や電気)が有限である事を学ばせてくれる場でもあるのかも知れません。
キャンピングカーのシンク(ギャレー)は歯磨きや手洗い等だけでも「有って良かった!」と思える設備です。それだけに大人が率先してちゃんとした後処理を行い、皆が笑顔で過ごせるキャンプにしましょう。
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