自動車整備士を目指す方へ -整備士になる方法- 門真の整備士からお伝えできること

「好きこそものの上手なれ」
皆さんはこの言葉をご存知でしょうか?

この言葉の中の「なれ」とは命令形ではなく、「~だ」という断定する意味があります。今は技術的に未熟でも「好きだ」という気持ちはその人の背中を押してくれます。好きだという気持ちが自分を上達させてくれます。今、あなたの好きは何でしょうか?


 車が好きな人は沢山います。乗るのが好き、モーターショー等見に行くのが好き、外車が好き、○○のメーカー(ブランド)が好き、そして私たちは整備された車が好きです。

 車がとても大好きだけど自分では整備出来ない人がいます。特別好きって訳じゃないけど生活には必要だから乗っているという人がいます。商用車・社用車として車と接している人がいます。共通している事は、車は切っても切れない存在だという事です。だから私達は適切な整備を心掛けお客様とお客様のお車を守っています。

 車に関わりたいけどどうしていいかわからない、どんな進路を選べばいいかわからない、働きながら好きな事するのって無理?そんな疑問にこの記事が少しでもお役に立てば何よりです。

●自動車整備士とは

 一言でいうと「自動車の点検や整備、修理等を行う仕事」です。自動車整備士は、医師や看護師、弁護士や美容師と同じ様に、国家資格保持者になります。

 「国家資格」と聞くと「えぇ~、無理~」「じゃぁ、専門の学校に行かないといけないのかな」と感じるかもしれませんが、働きながらでも十分資格を取得する事が出来ます。ちなみに日本には約300種類の国家資格があります。

 働きながらでも資格を取る事が出来る、その理由は現場で実務経験を積むからです。自動車整備の仕事は、無資格の人でも出来る部分と、資格がある人しか出来ない部分とがあります。自分の手と肌で仕事を覚え、それを資格に変える事が出来るのは自動車整備士を目指す人にとってメリットと言えます。もちろんその間お給料も保障されます。

 国家資格は、一定水準以上の知識や技術がある事を国が認定する事です。資格修得は一定のハードルが有りますが、職業的地位を国が保障していると言えますし、それはイコール社会的な信用を得る事にもなります。

 では実際に自動車整備士になったらどんな事をするのでしょう?一つには車に不具合が生じた時の修理です。本来の機能を元通りに回復させてドライバーさんが安心して車を利用出来る様にします。そしてもう一つは車の不具合に関係なく定期的に点検をする事です。良く知られているのは「車検」です。

点検整備自動車は使用年数や走行距離に応じて経年劣化します。消耗した部品の交換をしたり、不具合が無いかチェックしたりします。
緊急整備走行中に急なトラブルが発生した、事故で車が破損したなど、緊急事態に対応します。車がまた安全に走れるように修理します。
分解整備
(オーバーホール)
自動車の中でも特に重要な部品(エンジンやミッション)等を分解し、不具合等を見つけて整備します。
その他自動車の状態について、またどの様な修理や点検を行ったのか、お客様に説明をしたり、アドバイスをします。車を通じてコミュニケーションを図る事は人間力の向上やマナーの習得に繋がります。

●資格の種類

 自動車整備士の資格には1級から3級まであり、数字が小さい方が上位資格になります。3級は初歩的な知識と技術になりますが、2級になると自動車整備全般の作業が出来る様になります。

3級整備士  3級ガソリン自動車整備士上級整備士の指示の元、オイル交換やタイヤ交換等基本的な整備を担当します。単独でエンジンやブレーキ等の分解整備をする事は出来ません。
3級ジーゼル自動車整備士
3級自動車シャシ整備士
3級二輪自動車整備士
2級整備士2級ガソリン自動車整備士整備士の8割は取得していると言われています。自動車整備に関する殆どの事を単独でこなす事が出来ます。分解整備作業など仕事の幅は広がります。2級ガソリン自動車整備士を取得すれば、ジーゼルやシャシの整備も出来ます。また自動車検査員を取得する場合には必要な資格です。
2級ジーゼル自動車整備士
2級自動車シャシ整備士
2級二輪自動車整備士
1級整備士1級小型自動車整備士2級整備士の仕事内容にプラスして、現場の安全管理や作業指示、他の整備士への作業指示等も行います。1級自動車整備士=1級小型自動車整備士になります。なぜか大型と二輪の試験は今迄実施された事がありません。
1級は「ガソリン・ジーゼル・シャシ」に分かれていない為、1級を取得すれば全てのジャンルを整備出来ます。
1級大型自動車整備士
1級二輪自動車整備士
特種整備士

  ※特種整備士の資格を取得すると就職や転職に有利になります。  
自動車タイヤ整備士タイヤに特化した知識や技術を有した国家資格になりますが、タイヤ交換等は出来る為所得するメリットはあまりありません。2001年以降自動車タイヤ整備士の試験は実施されていません。
自動車車体整備士フレームやボディなど車の骨格部分に特化した知識・技術を有した国家資格になります。塗装や鈑金が生業の人にはメリットとなる資格です。
自動車電気装置整備士バッテリーや電子制御装置等電装部品に特化した資格になります。これからの車は更に電気自動車やハイブリッドカーへの対応が求められますので取得しておくとプラスになります。

●資格を取得するには

 上表では、自動車整備士にはどんな種類があるのかを述べました。次に資格を取得するにはどの様な道筋があるのかについて、見てみたいと思います。

 自動車整備について教えてくれる学校に通うのも一つです。学校を卒業すれば実務経験は免除されます。しかし学校に通うだけの余裕が無い、学校があまり好きじゃない、出来たら現場で経験を積みたいと思われる方にも、その門は開かれています。

 以下に、①働きながら資格取得を目指す場合と、②学校に通いながら資格取得を目指す場合の2通りについて記載します。

① 働きながら資格取得を目指す場合

  働きながら資格取得を目指す場合は、実務経験が求められます。ここが学校に通って資格取得を目指す場合との大きな違いです。先にも述べましたが、自動車整備の仕事には無資格でも出来る部分があります。例を挙げると、タイヤ交換やエンジンオイルの交換等ですが、現場の整備士さんの傍で業務をサポートする事で実務を肌で覚える事が出来ます。また掃除や片づけを手伝う事で、実際の作業の効率や仕事の段取りを覚える事が出来ます。これはとても大きな事です。

 卒業した高校の学科によっては、実務経験の期間が短縮されますので、確認する事をお勧めします。

国土交通省HPより「自動車整備士の受験資格について
https://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha_tk9_000005.html

② 学校に通いながら資格取得を目指す場合

 学校と言っても、工業大学や工科大学等学科も含めて様です。他にも専門学校、メーカー(トヨタやホンダ等)が設立した学校まで幅広く存在します。

 学校に通いながら整備士を目指す場合は、自分に合った学科、本当に学びたい事等、しっかり考え調べてから決めましょう。

●働き先(就職先)にはどんなところがあるの?

 次に、整備士資格を取得した後、どの様な会社が就職先になるのか見てみましょう。

① ディーラー

 ディーラーという言葉を聞いた事はありますか?メーカーと特約店契約を結んで、そのメーカーの自動車を販売する正規販売店の事をディーラーと言います。(サブディーラーはまた少し意味が違います。)

例えば

日産プリンス○○販売株式会社
○○トヨペット、トヨタカローラ○○ 等

↑○○には地域名が入ります。

 「ディーラー=車を販売する会社」ですが、定期点検や修理も行っていて、ディーラーで働く整備士の事を「ディーラー整備士」と呼ぶ事もあります。無資格からディーラーで勤務(就職活動)する事は困難で、基本は2級以上の整備士資格を有して入社します。よってディーラー整備士を希望する場合は、①自動車整備士の学校を卒業後、就職する。②2級整備士取得後、転職する、のいずれかになります。

 また自動車整備業の中では離職率は高く、営業やフロントへの配置転換も少なくありません。

② 量販店(カー用品店等)

 量販店で作業している人(整備士含む)の事を「ピットマン」と呼びます。カッコカワイイこの響きは、量販店が「小売業+サービス業」である様相が伺えます。

 サービスの提供は多岐に亘りますが、主な業務はタイヤ交換やオイル交換、車内アクセサリーの取付け(カーナビ等)になります。これらの作業は無資格者でも可能ですが、1995年に道路運送車両法が改正され、量販店でも車検が出来る様になった事から、有資格者と無資格者が混在している事が多い職場です。

 整備士が活躍する技術力については、店舗(会社)によって大きく分かれます。「カー用品量販店」と言う域を超えて奮闘している量販店もあれば、タイヤ等一部に特化した店舗も有ります。平均的には「重整備」の経験や対応は難しいかも知れません。

③ 中古車店

 新車の月平均登録台数が約30万台に対して、中古車の月平均登録台数は50万台を超えています。車は様々な利用者(持ち主)を経て中古車になります。それらを仕入れて販売車両として点検整備された後に売買されます。

 これらの作業をこなそうと思うと、一定のレベル以上の整備力が必要になります。その上様々なメーカーの様々な車種と付き合う事になるので、広範囲なスキルを身に付ける事が可能です。

④ 専業工場(民間整備工場)

 メーカーや車種に縛られる事無く、修理や点検を行います。会社の規模や業務内容も様々で店(工場)によって異なります。車検や点検、新車・中古車問わず車の販売、また故障や修理、事故の受け入れ等業務内容も様々です。社内(店内)で分業している会社は少なく、整備士がお客様対応する時もあれば、フロントや営業が故障箇所等について説明する事もあります。企業規模が小さくなればなるほど「○○だけやっていればいい」という訳にいきません。問題が発生した時は(自動車の故障等に対して)整備士が一丸となって取り組まなければ前に進めないという苦労もありますが、それだけに整備士としてのスキルアップも、人間力・コミュ力を養う事も可能です。

 何より良いのは、特定のメーカーの制約を受けたりノルマを気にする事無く、お客様の要望にダイレクトに対応する事が出来る点です。そして資格の有無はもちろんの事ですが、整備士として大切な、個人の知識やスキル、そして何より仕事の段取りや流れを修得する事が出来る場所です。

 ただ、悲しい事に専業工場は減少傾向にあります。後継者不足や自社単体での設備投資の難しさ等から、この10年で約700社が廃業しています。それに反比例する形で量販店(カー用品店)やディーラーが増えています。

【主な仕事内容のまとめ】





種別
主な業務(仕事)メリットデメリット
ディーラー主要業務は、販売した車のアフターサービスとして行われる無料点検や定期点検の作業になりますが、ユーザーへ点検内容の説明や接客業務が伴う事もあります。 自動車の技術は日々進化しますので、整備士に求められる業務にプラスしてサービスフロント(またはサービススタッフ)業務が付帯してくる事になります。 リコール時の修理対応。研修が充実している為最先端の技術を修得できる。またメーカー車の技術や知識が深まる。系列メーカーの車しか触らない。 カーディーラー=サービス業の為、土日等カレンダー通りに休めるとは限りません。残業も多い部類に入ります。
量販店タイヤ・オイル・バッテリー等の交換作業。接客がある事を前提として、身だしなみや言葉遣い等、礼儀作法が勉強出来る。整備業務にプラスして量販業務(接客業務)が付帯する為、人と話す事が苦手な人には向かない傾向にある。
中古車店仕入後の点検、納車前点検等。修理や車検への対応。メーカー・車種に縛りが無い為、広範囲なスキルが身に付く。 販売や査定など整備士以外の資格を取得する事が可能。フロント業務が付帯する場合があります。
専業店メーカー・車種に関係なく扱う為整備士としての経験を積む事が可能です。あらゆるメーカー・車種に携わり、且つ最新技術にも触れる為スキルアップが可能。新技術への対応が遅い場合がある。 労働環境や待遇が店によって差異が大きい。

●整備士の給料

 自動車整備士の平均年収は増加傾向にあり、平均年収は約440万円と言われています。増加傾向と言っても決して高給取りとは言えない上に、ディーラーや量販店では、整備修理した実績が、営業やフロント(お客様と接する立場の人)の歩合やインセンティブに加算されてしまう為、整備士との格差が生まれやすい体質が存在します。その為ディーラー等では整備士として入社しながら、フロントに異動する事も少なくありません。その結果収入が上がるというのも釈然としない気持ちになります。

ディーラー460万円~大企業の場合は、給与にプラスして福利厚生がしっかりしている。 他より給与が高い理由は、労働時間の長さの反映
量販店350万円~資格の有無によって差異がある。
中古車店350万円~営業を兼任すると成績歩合も加算され年収1000万円も夢ではありません。
専業店360万円~「生活と仕事の調和」を考えた時に賃金や労働時間、職場環境等何らかの不満が挙げられる傾向にある。

 また、整備士の給与は企業規模や地域によって格差が生じやすい傾向にあります。

●統計からみた整備士

 全国で整備関係に従事している従業員は544,670人と微増傾向にあります。544,760人の内、整備士資格を有している人は334,319人になります(従業員数及び整備士数は令和3年度版整備白書より)。

  そして全国には90,000以上の工場が存在します。この90,000という驚きの数字がいかに多いか下表からイメージ出来るでしょうか?

コンビニエンスストア全国で約56,800店舗
スーパーマーケット全国で約23,000店舗
調剤薬局・ドラッグストア全国で約76,000店舗
ラーメン屋さん全国で約32,000店舗


 何と、薬局やドラッグストア、それにコンビニよりも整備工場の方が多い事になります。思わずそんなにあるの?と思ってしまいますよね。でも「自動車保有台数」を知ると相対的に90,000社くらいあってもおかしく無い事を感じて頂けるのではないでしょうか。

 令和5年8月現在の自動車保有車両台数は82,853,203台になります。凄い数の車を90,000の整備工場で支えているのが解ります。ちなみに90,000ある工場の内約30,000が指定工場になります。

認定工場約90,000「分解整備」が出来る整備工場
指定工場約30,000民間車検場=車検を通す事が出来る。


 90,000以上の工場が存在し、そこに携わる従業員が540,000人以上いるという事は、重要な産業である事は間違いありません。年間整備売上高は5兆円を超えています。

 もし整備工場が無い地域が有るとしたら、人で例えるならばその地域に病院が無いのと同じ事を意味します。車にとって整備士は車のお医者さんだからです。

 では、ここから「車のお医者さんである整備士」の事を統計で見てみましょう。

 ※統計は国土交通省の「職業斡旋者からみた自動車整備業の労働環境等に関する調査」及び「自動車整備人材の確保・育成に関する検討会」より抜粋致します。

https://www.mlit.go.jp/common/001106231.pdf

https://www.mlit.go.jp/common/001127730.pdf

① 就職先の希望理由

 これから整備業の中でやっていこう!働こう!または転職を考えた時に、約半数の人がディーラー系を希望しています。専業系への希望は全体の約1/4になります。

 では、希望する理由はどの様な内容なのでしょうか?見てみましょう。

 共通しているのは、

・残業が少ない方がいい。

・賃金や処遇の事も気になるが、職場の人間関係が気になる。

等ですが、別々に見てみると以下の様な理由が多い様です。

ディーラー系への就職・転職理由安定している様に思うから(安定性・将来性) ディーラー=大企業⇒ステータス、華やか
専業工場への就職・転職理由多くの工場が日曜・祝日休みだから 県外への転勤が無い


 自動車整備業特有というよりも、就職・転職を考えた時、職種に関係なく肌感覚として同じ様な理由が存在する様に思います。もちろん労働環境や賃金、休暇休日の関する事等、自分の生活の基盤となる事ですから、重要視するのは当たり前です。あとは年代でも価値観が変わってきますので、ここでもう少し深堀して「自動車整備業への若者の求職理由」等について見てみましょう。

【自動車整備業への若者の求職理由】

・経験が無くても採用してくれる
・各種資格取得の支援がある
・正社員採用や将来性がある

等が揚げられています。若者が能力の向上を視野に入れている事が垣間見えます。もちろん会社もこれに答える形で、若者に対して資格取得を支援するだけでは無く、学びながら仕事が出来る様な環境作りも意識しています。「向上心がある」「やる気が有る」「前向き」な若者はどこの企業でも欲しいと思うのは同じです。それは自動車整備業でも同じ事が言えますし、労働環境も少しずつ改善されつつあります。

 では、実際に自動車整備業の求職では、どの様な条件が提示されているのか見てみましょう。

② 求人側の提示条件

 資格の有無経験の有無就業時間待遇
ディーラー系80%の会社が条件として提示しています。60%の会社が条件として提示しています。・完全週休二日制(土日勤務有り)就業時間はシフト制が多い。
・基本的に土日は勤務日となっている。
・所定労働時間、休憩時間、残業時間(月平均)、就業日(所定休日)
・有資格者には手当等支給している。
・年間休日日数105日。
・賃金、昇給、賞与実績。諸手当。作業服支給。
専業系60%の会社が条件として提示しています。80%の会社が条件として提示しています。・月6日休み、残業は月20時間程度。
・残業時間が長い傾向にある。
・所定労働時間、休憩時間、残業時間(月平均)、就業日(所定休日)
・年間休日日数90~96日。
・賃金、昇給、賞与実績、諸手当。作業服支給。

 当り前ですが、条件の提示はどこでも実施しているのが通常です。ディーラー系・専業系問わず、休日等については改善されつつありますが、労働時間の長さについては改善の余地が残されています。特に専業系(特に小規模)では今以上に充実する(改善する)事が優秀な人材(若者)を獲得する上では欠かせない課題かも知れません。

③ 職業斡旋者から見た自動車整備の世界のイメージ

 就職しよう、転職しようと思った時には、それを斡旋(仲立ち)してくれる人たちがいます。例えばハローワークだったり、求人斡旋業者だったり、高校生の場合は学校の先生も該当します。この人たちの事を職業斡旋者と言います。働く側からではなく就職を紹介してくれる人たちが自動整備業の事をどのように思っているのかについてのまとめは下記の通りです。

 ただこれは、回答者の主観であって、実際の数字から導出したものではありません。

・給与などの待遇は平均より低い⇒学歴の差が給与に反映していると想定される。
・休暇等の条件は平均より低い⇒特に外資のディーラーは休みが取り辛い様に思う。
日系ディーラーでは転職する人が多い。
・作業環境の快適さは低い⇒夏は暑い中、冬は寒い中での作業がイメージに繋がっている。
・昇給の可能性⇒ある程度のポジションに就けば別だが、他の業種に比べて低いイメージ
・その他⇒若者の車に対する興味が変化している。
資格が無くても良く、また資格取得に対して企業の支援が有る。
学びながら仕事が出来る。
メーカ―系専門学校の卒業生はディーラーに就職する人が多い。

④ データが裏付ける整備士のやりがいや満足感

 ここまで読み進めてくれた方は、何となく気分がドンヨリしてしまったのではないでしょうか?(^^;)
では気分を変える為に別のデータを見てみましょう。

 次に自動車整備業に対するやりがい・満足感についてのデータです。以下の様な解答が揚げられています。

・故障したものを修復させた満足感や達成感。
・困った人の力になれる
・自動車の先端技術に触れられる。
・いろいろな車に触れる機会がある。
・高級車に触れられる機会がある。
・整備を通じて安全、安心な自動車を提供できる。 など
国土交通省HP「自動車整備人材の確保・育成に関する検討会」より
https://www.mlit.go.jp/


 自分の持つ技術が人の役に立ち、社会の役に立っていると多くの整備士が感じている事が伺えます。常に技術(スキル)を磨き続ける職業だけに、技術習得への不安や自動車産業に対する不安、体力面を考えると年齢に対する不安、そう言ったものを抱えつつも、整備士が日々感じているやりがいは好きだからこその答えではないでしょうか。

●整備士の未来予想

 

 私共は「専業工場」になります。働く先の種類 [④専業工場] でもお伝えしましたが、専業工場は事業場数が減少しています。「町の整備工場」と言われる私共が廃業する理由の一位は後継者不足です。他にも若者の車離れが進行しているからとも言われています。

 「整備士の給料」や「統計からみた整備」等ここまで読み進めて下さった皆さんは自動車整備業に対して少しマイナスのイメージ、もしくは不安を感じたかも知れません。

 ですが、実際には国内の自動車の保有台数は減っていません。下のグラフは全車種の保有台数表になります。

 ※全車種=乗用車(軽含む)、バス、トラック・トレーラー、特殊用途車、小型二輪のトータル。



 上のグラフを見れば、私たちの生活に車がいかに深くかかわっているかが伺えます。その車を安全かつ快適に使用出来る様に整備するのが、私達自動車整備士の仕事になります。車が進化しても、その社会的役割は昔と何も変わっていません。それどころか緩やかでも台数が増加傾向で推移しているという事は、自動車の点検整備及び修理の需要は安定的に発生していくと容易に想像がつきます。

 また、多くの業種が景気の影響を受けやすいものですが、自動車整備の売上高は景気動向の影響を比較的受けにくいと言われています。

一般社団法人日本自動車整備振興会連合会のデータより作成
https://www.jaspa.or.jp/


 整備士の未来予想をイメージした時、上記のデータから解釈出来るのは“食い逸れる”事は無い職種であるというのが第一印象です。ではどんな点がこれからの整備士に求められているのでしょうか?

 まずは、自動車技術がどんどん高度化している点です。次世代自動車と呼ばれるハイブリッド車や電気自動車の台数が飛躍的に増加している上に、先進安全装置が急速に普及しています。

 その性能を維持し、快適なカーライフを維持・継続する為には、機械・電気両分野の最先端技術に関する知識を有し経験を積んだ整備士が求められます。

 国家資格である事にプラスして、最先端の技術に常に触れる事は専門性のスキルを磨く事になります。車が好きで向上心のある整備士ならば魅力ある職種である事に間違いありません。そしてこれこそが、将来への不安を払しょくする一番の早道ではないでしょうか。

 最後に、先ほどたくさんのデータを掲載致しました。もう一つ「現在の職業を続けていく上で重視する事はなんですか?」という質問に対して、1番多かった答えは「仕事と生活の調和がとれている」2番目に多かった答えは「給与賃金が仕事に見合っている」でした。至極当然の事だと思います。いずれ結婚して子どもが出来たら…と思うと何より家族との時間、生活の豊かさを考えるものです。では3番目に多かった答えは何だと思いますか?答えは「満足のいく仕事が出来る環境」でした。

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●相談窓口

 弊社では整備士を目指す若者を支援しています。「誰に相談したらいいかわからない。」「ちょっと聞いてみたいけど、どうしたらいいかわからない。」と言った漠然とした疑問から、整備に関するリアルな質問まで何でもご相談ください。お近くなら見学も受け付けています。ディーラーの様に綺麗じゃないし、だいたい工場ですし、至れり尽くせりという訳には行きませんが、本物に触れてみて下さい。

 自動車整備士を目指そうとお考えの方は是非お気軽にご相談下さい。

【無料相談窓口】
 06-6916-3121
㈲東伸自動車 吉村まで
〒571-0044
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(担当:熊野・吉村まで)

電話:06-6916-3121