クレア《CREA》のサブバッテリーシステムをリン酸鉄リチウムイオンバッテリーに交換で600Aにアップグレード!!ツインインバーターでエアコンと電子レンジの同時使用が可能に!!

 今回お客様からお預かりしたお車は「CREA(クレア)」です。キャンピングカービルダー大手である「ナッツRV」のお車で、キャブコンの中では常に高い人気を誇っています。使い勝手も良くデザイン性も高い上に、断熱性等の機能面もしっかりしたお車です。さすがNUTSさんのキャンピングカーだけあって素敵なお車です。今回はこのクレアのサブバッテリーシステムを門真の整備士が、リン酸鉄リチウムイオンバッテリーに乗せ替えると共に、インバーターを追加してツインインバーターにしました。これで「エアコン&電子レンジ」と言った具合に大型家電を同時に使用出来る様になりましたのでまとめたいと思います。

メーカー・ブランドナッツRV(NUTS RV) CREA(クレア)
ベース車両ダイナ(カムロード)
型式QDF-KDY231改
エンジン1KD-FTV ディーゼルエンジン
年式・初年度登録2016年
走行距離 

 今回お預かりしたクレアは、トヨタのダイナがベース車両になります。カムロード(CAMROAD)という名前で認知されている方も多いかと思いますが、このカムロードと言う名前は、日本RV協会がトヨタに「キャンピングカーとして使いやすい車両を」と依頼したことで誕生しました。従来のダイナ(小型トラック)よりもリヤタイヤの左右の幅が広くなっていたり、安全機能面の充実性のUP、キャンピングカー用のサスペンションを取り付ける等改良が施されています。オルタネーターも燃料タンクも大容量ですので、長距離移動や長期間の使用が多いキャンパーにとってはとても頼もしいお車です。

 日常とは違う時間を過ごす事が出来て、子どもやペットが一緒でも気軽に楽しめ、キャンプは以前に比べるとかなり身近な存在になったなと感じます。ただ便利さを求めれば求めるだけ必要になるのが電力です。

 「生活電力」これを充実させる事が出来ればキャンピングライフの快適性をランクアップさせる事が出来ます。またその為に設置されるのがサブバッテリーシステムです。

 先程「生活電源」とお伝えしたように、キャンピングカーにとってサブバッテリーシステムは2つ目の電源になります。1つ目はメインバッテリーです。エンジンやモーターを動かす役割を担っていますので、スターティングバッテリーとも呼ばれています。

 2つ目のサブバッテリーはキャンピングカーの中で冷蔵庫やエアコン、電子レンジその他家電類を使用する際に電力を供給してくれます。特にエンジンを停止している時に家電を使用する際にはサブバッテリーは欠かす事が出来ませんので、サブバッテリーシステムは、キャンピングカーの居住快適性を左右すると言えます。

サブバッテリーは・・・

①キャンピングカーの中にある家電を使用する為のバッテリー。

②エンジン停止中でも車内で電気を使用する事が出来る。

③サブバッテリーの充電方法は、走行充電・外部充電・ソーラーパネルの3種類。

 キャンピングカーのサブバッテリーシステムを形容する時、比較されるのが「鉛バッテリー」と「リチウムイオンバッテリー」です。

 今回お預かりしたクレア(CREA)に現在積まれているのは、鉛バッテリーになります。鉛バッテリーは1970年に登場し急速に拡大し、あらゆるジャンルに採用され広く普及しました。この様に起筆すると、鉛電池は古くてリチウム電池は新しいものの様なイメージに繋がってしまいますが、実はリチウム電池も1950年代には存在していました。もちろん今の様にメジャーではありませんでした。

 NASAが宇宙用そして軍事用に開発をスタートしたのがリチウム電池の始まりとされています。日本では1970年代にリチウム一次電池の生産がスタートしています。ただし、現在話題になっているリチウムイオン電池(二次電池)とは全く違うものになります。

 大きな違いは、一次電池は充電出来ませんが、二次電池は充電する事が出来ます。繰り返し使用する事が可能です。

 今比較している「鉛バッテリー」も二次電池になります。ただしサブバッテリーシステムに使用するバッテリーは「深い放電の繰り返しに耐える事が出来るバッテリー」と言うミーニングを込めて、ディープサイクルバッテリー(EBバッテリー)と呼ばれています。

【ディープサイクルバッテリー】

ディープサイクルバッテリーは、80%以上の放電サイクルを前提に設計され、電極板はスポンジ状のスターティングバッテリーに比べて固体鉛板でしかも厚くなっています。深放電や充電を繰り返し行う事が可能で、且つ長時間の連続使用にも可能な構造になっています。スターティングバッテリーをディープサイクルバッテリーの様に使用すると、鉛スポンジが消耗されセルの底へ落ちてしまいます。その結果電気を蓄える事が出来なくなってしまいます。

 鉛バッテリーの良いところは何と言っても安価な点です。リチウムイオンバッテリーと比較する時も価格の事に言及されます。初期コストだけ見れば。確かに「鉛バッテリーは安価でリチウムイオンバッテリーは高い」と言う評価になります。しかしバッテリーの寿命が全く違う為、生涯コストとして見るとリチウムバッテリーのコストパフォーマンスは悪くありません。

鉛蓄電池リン酸鉄リチウムイオンバッテリー
寿命約3~7年約10~15年
サイクル約350回~400回約2000回~4000回
大きさ・重さ大きくて重い(小型化が難しい)モデルにもよるが鉛の約1/2以下
充電速度遅い(急速充電出来ない)早い
放電深度80%100%
放電能力低い高い(高い電圧を維持したまま放電可能)
補充電使用後は出来るだけ早く補充電し、満充電で補完する。満充電せずに放置すると内部劣化が進む。バッテリー残量30%未満で放置しても問題無く、補充電のタイミングは選ばない。
価格安価高価(鉛の4~5倍)
設置横倒し禁物設置方向自由

 「サブバッテリーシステムについて」でもお伝えした様に、便利さを求めるには電力が必要です。車中泊や食事の事を考えた時、冷蔵庫や電子レンジ、エアコンと言った家電はマストアイテムと言えます。

 エンジンが停止している間も、これらの電化製品を気兼ねなく使用する為にはサブバッテリーシステムは欠かす事が出来ません。そして今回搭載するのが「リン酸鉄リチウムイオンバッテリー」になります。

 上表でも起筆しましたが、鉛バッテリーに比べて小さくて軽く、大電流の長時間使用もOK!!水銀や硫酸などの有害物質も含みませんので環境への影響が少なく、定期的なメンテナンスが必要ない点も利点の一つと言えます。

【リン酸鉄リチウムイオンバッテリー(LiFeP04バッテリー)の特長】

  • 鉛バッテリーに比べて軽くて小さい。
  • 耐久温度が幅広い。
  • 大電流の長時間使用OK。長時間使用しても電圧がほとんど降下しない。鉛バッテリーに比べるとエネルギー密度が約3倍で、寿命は鉛バッテリーの5~6倍とコスパが良い。
  • 自己放電率が低く長寿命。
  • 水銀、硫酸等の有害物質を含まないため環境に優しい。
  • 他のリチウムイオンバッテリーに比べて発火や爆発が起こりにくいため、低リスク(安全性が高い)。

 これらの特長から最近では、キャンピングカーやキッチンカーなどに広く使用される様になっています。今回このリン酸鉄リチウムイオンバッテリー300Ahを2台搭載致しましたので、スペックは合計600Ahになります。これをクレアに搭載していきます。

 クレアがリチウム化され、サブバッテリーの容量が強化(増加)された事で、電力事情は大きく改善します。走行中効率的に充電を行う事はもちろん、停車時はソーラー充電が可能です。また600Ahにアップグレードした事で、60000W(60KW)を一定時間内に消費するパワーがありますので、長期間でも安心して過ごせる環境が整う事になります。

【一般的な家電製品の消費電力】

  • 電子レンジ   1300W(500Wなどのタイプあります)
  • 炊飯器(1合炊き) 100W~
  • コーヒーメーカー 450W~
  • 冷蔵庫(30ℓ)   20W~
  • エアコン    45W~
  • ドライヤー   600W~
  • FFヒーター   20W

※いずれも機種によって異なりますので、必ず確認しましょう。

 ここで大切なのが、サブバッテリーの性能とインバーターの容量です。

 例えば、電子レンジ(1300W)を使用したいのに、インバーターの容量が1000Wしか無かったら…。最悪インバーターのヒューズが切れてしまう事になります。

 消費電力が高い家電製品を動かす為には、それなりの出力性能のあるインバーターを選ぶ必要があります。

 またバッテリーとインバーターは相関関係にあります。バッテリーの直流電圧(DC)を、インバーターが交流電圧(AC)に変換してくれるお陰で、車内で家電製品を使用する事が出来ます。それ故にインバーターが大容量でも、サブバッテリーシステムの性能容量が小さければ、使用出来る電気の量(電力量)は、少なく(小さく)なります。キャンピングカーを心地よく快適にするためには、搭載する機器類のバランスも大切になります。

 リン酸鉄リチウムイオンバッテリーをはじめ、走行充電器(ソーラー充電MPPTチャージコントローラー内臓)、インバーターetcそしてお客様のご要望も一緒に搭載していきます。

架装内容・パーツは以下の通りです。

  • リチウムイオンバッテリー 300Ah 2台へ交換
  • 正弦波インバーター 2000W 2台 (インバーター追加)
  • 走行充電器と外部充電器の交換
  • MPPTチャージコントローラー50A

※MPPTとは「最大電力点追従装置=Maximum Power Point Tracking」の略で、太陽光からのエネルギーを効率よく回収してくれるコンバーターです。これがあると、オルタネーター(走行充電)からの充電も、ソーラー充電にも対応可能になります。

  • バッテリーモニター(電圧計&電流計) →バッテリーの情報を観測する。残量が表示される。
  • 外部電源ソケット
  • その他ケーブル類、コーキング、テープ類、ヒューズ、端子、キャップ類等は記載から外しています。

 使用時のみ電源供給される様、スイッチ・リレー・ヒューズも取付けていきます。例えば外部電源切替えリレーは、外部の100V電源(自宅やRVパーク等)から充電する際、サブバッテリーシステムの100Vコンセントに接続されている家電類全てが外部電源から電力供給される様に自動的に切替えられます。

 前項で「インバーターの出力性能によって、使用出来る家電類が変わってくる。」と起筆させていただきました。今回の施工の大きなポイントはインバーターを追加取付けして、ツインインバーターになった点です。

 キャンピングカーで家電を使用する上で、ツインインバーターがどれだけ強みになるのかについて、少しだけ追記したいと思います。簡単ですが、以下がサブバッテリーシステムの概略図になります。

 家電を使用する為には、インバーター(正弦波インバーター)は必須アイテムになります。効率的に電力を変換してくれ、バッテリーの無駄を抑えてくれます。キャンピングカーに搭載するのは正弦波インバーターですので、家庭内で使用する電気と全く同じものになります。

 ご自身のキャンピングカーをリノベーションする事をお考えの方はまず、キャンピングカーで使用する家電製品をリストアップし、消費電力を確認する必要があります。消費電力に見合ったインバーターを選ばなければ、せっかく設置しても家電類を思う存分使用する事は出来ません。

 今回はお客様のご希望もあって、ツインインバーターにする事になりました。この時インバーターは並列接続します。そうする事で、電圧は変わらず電流量が増加します。合計出力電流が倍になり、より多くの電気を作り使う事が出来るという事です。ですので、お預かりしたクレアの施工後は、電子レンジとエアコンを同時使用しても問題なし!という事になります。

 キャンピングカーは、お客様の数だけ種類があると思っておりますが、最近ではリチウムイオンバッテリーへの乗せ替えや新らに搭載される方が本当に多くなってきたなと感じています。中にはご自身で必要なものを購入され、施工のみ依頼したいと言うお客さまもいらっしゃいます。難しいと言うだけではなく、それだけ電装関係は怖い面を持ち合わせています。過電流を引き起こしてしまうと電気回路に負荷がかかり、最悪火災に繋がるケースもあるからです。  電装関係だけではなく、インテリア関係やエクステリア、中には個人の趣味に合わせた施工までキャンピングカーのご依頼は多種多様です。大々的に新設されるお客様から乗せ替えをされるお客様、些細な事だけどちょっとした事が気になる、自分で施工するにはちょっと手ごわいぞと思われるお客さまも、キャンピングカーに関する事で、何かございましたらお気軽に東伸自動車迄お問い合わせ下さい。

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