トヨタ《カローラツーリング》ステアリング(ハンドル)の破れや擦れ等の劣化が気になる方必見!!門真の整備士が見事に復活させるまで!!

 今回お客様からお預かりしたお車はトヨタの「カローラツーリング」です。カローラと言えば国民車の代表の様な車です。英語で「花の冠(花びらの集合体)」という意味があり「人目を惹く、美しいスタイルのハイ・コンパクトカー」というイメージで名付けられたカローラですが、1966年に初代が誕生して約60年になります。1969年から33年連続で国内の車名別販売台数トップを堅持し、2021年には累計販売台数が5000万台に達しました。2009年にプリウスに車名別販売台数の首位を譲りましたが、それでも常に上位の常連であることに違いはありません。

 カローラツーリングはカローラシリーズ通算12代目で誕生したお車ですが、ハイブリッドカーやミニバン、SUVを抑え11年ぶりに販売台数ランキング1位を獲得します。販売されたカローラの内約6割がカローラツーリングという人気ぶりです。そんな人気なカローラツーリングですが、ハンドルの剥がれが目立って来て気になるとのご依頼を受けましたので、門真の整備士が対応いたしました。ステアリング(ハンドル)カバーの破れ・擦れ・劣化の修繕についてまとめたいと思います。

メーカー・ブランドトヨタ
カローラツーリング

初代から現在に至るまでのカローラの移り変わりを、以下に簡単にまとめます。

初代カローラ1966-1970高度経済成長期真っ盛りに、パプリカとコロナの中間として設定された5人乗り小型セダン。
丸目のヘッドライトがとってもチャーミング。
ボディーカラーはアフロディティ・ホワイトやゼウスブルーなどギリシャ神話がテーマに採用されている。
2代目カローラ1970-1974大阪万博の年に初代より一回り大きくなって登場。
クーペが誕生し、カローラスプリンターがスプリンターとして独立する。
初代カローラレビンが誕生。
3代目カローラ1974-1979通称「30(さんまる)」。カローラは3代目で車名別生産台数世界一になる。
車両サイズが更に大きくなったのは、排ガス規制や衝突安全性対策の為のスペースを確保する為。
公害対策についてはカタログにも記載される様になりました。
4代目カローラ1979-1983歴代カローラの中で最もバリエーションが豊富で7種(セダン2/4ドア、ハードトップ、クーペ、リフトバック、バン2/4ドア)の構成になっています。
その名も「いい友シリーズ」。
3代目カローラレビンや初代カローラワゴン、初代カローラⅡ(ハッチバック)が誕生。
5代目カローラ1983-1987キャッチコピーは「素敵に、スポーティーハンサム」。
カローラではじめてFF(全輪駆動)方式が採用されるがレビンはFRのまま継続。
4代目カローラレビンは「ハチロク」の愛称で知られる。
6代目カローラ1987-1991丸みを帯びたデザインになる。
レビンも6代目からFF式が採用される。
バブル景気もあり上級車種に劣らない装備と品質が高評価を得る。
7代目カローラ1991-1995キャッチコピーは「大きな愛のようなカローラ」1966年誕生以来高級化路線の頂点に達したモデルになる。
セーフティーテクノロジーも次々と採用されている。カローラセレナ誕生。
8代目カローラ1995-2000環境や安全といった価値観が開発の軸になったモデル。
また維持費や燃費などについても基本性能として携えている。
キャッチコピーは「ずっといいですよ。」カローラスパシオ誕生。
9代目カローラ2000-2006セダンGT系とカローラレビンなどスポーツモデルが廃止になり、5ドアのフィールダー(セダンの9代目がフィールダーになる。)と4ドアセダンの2本立てになる。
キャッチコピー「変われるって、ドキドキ。」に相応しく大きくデザインが変わったのが、この代になります。
初代カローラフィールダーとランクス誕生。
10代目カローラ2006-2012バンが「プロボックス」に交代。セダンのサブネームは「カローラ・アクシオ」になって誕生。バックモニターが全車に標準装備される。
カローラルミオン誕生。
11代目カローラ2012-2019開発テーマは「大人4人が、安心・安全、快適に長距離に移動出来るミニマムサイズのコンパクト車」。
「カローラ・アクシオ」の小型化が実現したことにより「ベルタ(トヨタで最小の4ドアセダン)」が廃止になった。
ハイブリッドモデルのカローラが誕生。
12代目カローラ2019-現在これまでのカローラは輸出先によって仕様が違ったが、12代目からは全世界で統一されました。
セダンは13年ぶりに無印のカローラが誕生し、ワゴンモデルはカローラフィールダーが併売されることも有り、カローラツーリング(サブネーム)とカローラスポーツが新たに誕生しました。
キャッチフレーズは「あなたの真ん中へ。この世界の真ん中へ。」 2021年にはカローラクロス、2023年にはGRカローラが誕生。

 時代によって車にも流行りがあります。セダン、ワゴン、ミニバン、最近ではSUV、家族構成や利便性などが相まってボディ形状は時代を反映しています。ですがどんな時代にも進化し続け今に至っているのがカローラです。カローラツーリングが発売されると圧倒的人気で発売直後の2019年10月登録台数ランキングで1位を獲得しました。現在のラインナップは、カローラ(セダン)、カローラアクシオ(セダン)、カローラスポーツ(コンパクトカー)、カローラツーリング(ワゴン)、カローラフィールダー(ワゴン)、カローラクロス(SUV)になります。

 ステアリング(ハンドル)(ハンドル)の破れなどの劣化

  ステアリング(ハンドル)は運転中常に握っているため、皮脂や汗の影響を直接受けます。特に右手で握る部分はシフト操作する左手の位置より状態が悪くなりがちです。その上、特に夏場は紫外線や温湿度変化も大きい為劣化が加速します。指輪などのアクセサリーが原因になることもあります。

 最初は「テカってきたかな」程度ですが、少しずつ皮の表面に擦れや破れが生じてきます。ステアリング(ハンドル)の傷みを気にして、ステアリング(ハンドル)カバー(ハンドルカバー)を使用されるお客さまもいらっしゃいますが、ステアリング(ハンドル)が本革巻きの場合カバーはNGです。カバーをすることで湿気等がこもり革の塗装が剥げてしまったり、また革本体にも剥がれが生じたりします。

 革巻きのステアリング(ハンドル)の場合、革本体(真皮)の上に塗装膜があります。この塗装膜が劣化することで革本体にもヒビが入ったり、亀裂、擦れが目立つ様になります。塗装膜だけの場合は革本体(真皮)にまでダメージが及んでいない為、リペアもそう難しくはありませんが、今回お預かりしたお車は、革本体にまで傷みが広がっていました。見た目も悪くなりますし、質感の悪化で手触りが気になりだすと運転にも支障をきたす恐れがあります。

 ステアリング(ハンドル)に劣化が見られる様になった場合、改善手段としては何通りかの選択肢があります。

対処方法メリットデメリット
ステアリング(ハンドル)カバーを使用するステアリング(ハンドル)の傷んだ箇所を簡単に隠すことが出来る。根本的な解決にならない上に、操作の感覚が変わってしまう。
ステアリング(ハンドル)を交換するステアリング(ハンドル)を一新するので、根本的な解決になる。高額になる可能性が高い。
修理ステアリング(ハンドル)の状態に合わせて修理方法(貼替・リペア等)を検討出来る。修理方法によっては、費用を抑える事が出来る。
DIY費用を抑えることが出来る。失敗した時にリスクがある(ハイリスク)。

 ちなみにハンドルと言い方は和製英語になります。英語圏ではステアリングまたはホイールと呼ばれています。現在日本では、ハンドルと言うとドライバーが握る所を指し、ステアリングと言うとシャフトやエアバッグ、パワーステアリング、ステアリングスイッチ等システム全体を指すことが一般的かなと思います。

 お客様と相談させて頂き、今回は貼り換え(巻き直し)をすることになりました。

 まずはステアリング(ハンドル)を外します。が今のステアリング(ハンドル)はなかなか複雑です。エアバッグはあるし、スイッチだらけのステアリング(ハンドル)は配線がいっぱいで電装部品と言っても過言ではありません。これらをクリアしてステアリング(ハンドル)を外したら、ステアリング(ハンドル)ホイールに新しい革を巻いていきます。当り前ですが、ステアリング(ハンドル)にはスポークが有ります。

 このスポーク部分も生地の端っこが出ない様に隙間に綺麗に収めることが出来るかどうかで仕上がりが変わってきます。過去にステアリング(ハンドル)の巻き替えキットなどを利用してDIYで作業された方のお話をお聞きしたことがあるのですが、縫うのも大変だけど生地の端っこの始末にも手間取ったと仰っておられました。思わず思い出してしまいました(汗)

 さぁ!門真の整備士による作業はどうでしょう!

 そして全体の仕上がりはこんな感じです!!

作業内容・部品等工賃部品代
材料費等20,000円8,000円
消費税2,000円800円
総計30,800
2025年4月現在

 お客様にご納車させて頂いた際とても喜んでいただき門真の整備士も頑張った甲斐があります。とは言え本革巻きのステアリング(ハンドル)はメンテナンスも大切であることをお伝えさせていただきました。

 「皮は呼吸する」素材と言われています。多孔質な構造をしているので、湿気の変化に応じて水分を吸収したり逆に放出したりしています。

 常に最適な環境で使用出来れば劣化を遅らせることも可能かも知れませんが、車内で使用するステアリング(ハンドル)では難しいのが現状です。先にも起筆しましたが、ステアリング(ハンドル)は運転中常に使用されていますし、車内の温湿度は季節によって大きく上下します。皮脂や汗、アクセサリーなどステアリング(ハンドル)にとってはダメージになる要因が一定量存在します。そして皆さん意外と気付きにくいのが、アルコールによるダメージです。

 思い出して下さい。皆さん新型コロナウイルス感染症が流行っていた頃どれくらい手をアルコール消毒されましたか?もう毎日どころか、移動する度に移動先でバシャバシャアルコール消毒されていたと思います。実は皮革はアルコールにとても弱い素材なのです。アルコールでバシャバシャ消毒した手でステアリング(ハンドル)を握る・・・。これだけで皮革が変性してしまったり、シミになったりする原因になります。私たちの手もアルコール消毒のし過ぎで手がガサガサになってしまう、アレと同じです。手同様皮革にとってもダメージに繋がります。エタノール(アルコール消毒液の主成分)は、ステアリング(ハンドル)表面のコーティングをそぎ落とし劣化を助長させてしまいます。

 とは言え常に使用するハンドルのお手入れや除菌!気になりますよね。どの様にメンテナンスするのが良いのでしょうか?

【ハンドルの除菌】

アルコールがダメなら何を使用したら除菌出来るのでしょうか?「次亜塩素酸!」と思われた方もいらっしゃるかと思いますが、次亜塩素酸も皮革を痛めます。

モノ(当記事の場合はステアリング(ハンドル))を除菌・消毒するには家庭用洗剤(中性洗剤)を使用するのが良いとされています。家庭用洗剤の主成分である「界面活性剤」はウイルスの膜を壊し無毒化してくれます(必ず薄めて使用すること)。詳しくは厚生労働省のHPに掲載されていますのでご参照下さい。

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/syoudoku_00001.html  

なお、メンテナンスは水だけでもOKですので、その場合はタオル等を固く絞ってから使用して下さい。

 固く絞った雑巾やタオル等で優しく汚れを拭き取ったら、ベビーローションを塗ってあげると本来の風合いが戻ります。革用のクリームを使用してお手入れするのもひとつですが、人工皮革の場合は使用することは出来ません。また本革巻きの場合でも、革の加工方法によってはクリームとの相性が悪い場合がありますので、きちんと調べてから使用することをおススメいたします。

 運転中ずっと握っているステアリングです。ステアリング(ハンドル)グリップの感覚を私たちの手はちゃんと覚えています。そして視界にも入る部分ですのでもし気になることがございましたら、東伸自動車までお気軽にご相談下さい。

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