日産セレナ C26 S-HYBRID HFC26 ハイブリッド アイドリングストップランプ警告灯点滅とエンジン警告灯!エンジン異音!大阪府門真市の整備士が解決!
今回お客様からお預かりしたお車は「日産 セレナ4代目 C26型」です。1991年に初代モデルが登場して以降セミキャブオーバータイプの5ナンバーハイトミニバンとして、ファミリー層を中心に人気の高い車種になります。2010年には国内販売累計100万台を突破しています。
4代目のC26型は、2010年11月にフルモデルチェンジされ販売が開始されました。3代目に比べて室内が広くなり解放感のあるデザインになっています。お客様のお車は2013年式になりますので4代目C26の中でも後期モデルになります。前期に比べて見た目はシャープになりましたが、親しみを感じるフォルムと豊富なカラー展開はファミリー層からの支持を得るアプローチポイントになっていると感じます。
また安全装置の面でも車線逸脱警報やエマージェンシーブレーキが搭載され、内装面ではインパネ周りの使いやすさや大画面カーナビに加え、多彩なシートアレンジが出来る設計になっています。内燃機面ではエンジン進化型エコカーとして新たなアイドリングストップ機構を採用した事で次世代環境技術搭載車として「PURE DRIVE(ピュアドライブ)」の名を冠しています。
そんな魅力満載の4代目セレナC26にお乗りのお客様から、「異音がする」「アイドリングストップランプが点滅する」とのご依頼がありましたので、まとめたいと思います。
●お預かりしたお車
メーカー・ブランド | 日産 セレナ C26型 ハイウェイスター S-HYBRID |
型式 | DAA-HFC26 |
エンジン | MR20DD-M23 直噴ガソリンエンジン |
年式・初年度登録 | 2013年 |
走行距離 | 145690㎞ |
●故障の症状
①アイドリングストップランプ点滅
②エンジンから異音

●故障箇所の特定と診断
まずは何が(どこが)原因で異音がするのか突き止めたいと思いますが、異音が大きすぎてどこが異音の元なのかわかりません。車室内までかなり大きな音が響いています。
エンジン・コンプレッサー・テンショナーなど順番にチェックしていきます。オルタネーターを回した時に異音がしました。恐らくベアリングの摩耗が原因で異音がしていたものと思われます。オルタネーターのプーリーがスムーズに回転出来るのはベアリングのおかげですが、負荷がこのベアリングに一手にかかってしまう為、傷んでしまった(破損した)結果異音が発生したと診断出来ました。プーリーにかかるベルトがセレナは少し固いのかな?と感じますので、それもベアリングにとっては負荷の要因になっているかも知れません。
診断:オルタネーター異常 |

アイドリングストップランプが点滅するのは、システムそのものに異常が有るか、またはエンジン部品やバッテリーに異常(故障)があって、アイドリングストップシステムが稼働していない時に起こります。オルタネーターの電圧が低くなっている時もアイドリングストップランプは点滅します。
アイドリングストップシステムはバッテリーに大きな負担をかけますので、バッテリーが劣化している時なども、システムが稼働しない原因になります。今回はバッテリーに異常はみられませんでした。
【アイドリングストップ機能とは】 車が停止した際(走行距離が10㎞/h以下になった時)に、エンジンを一時的にストップする機能です。ブレーキペダルを踏む事で自動的にエンジンが停止し、ブレーキを離すとエンジはすぐに始動します。アイドリングストップ機能が働いている間もエアコンやカーナビ等の電装品は使用する事が出来ます。 信号待ちや渋滞の時に無駄な燃料を使わずに済みますので、地球環境に優しくまた燃費も向上しますが、バッテリーには大きな負担になります。 |
アイドリングストップ機能が搭載されていない車の場合は、スターター(セルモーター)のギアが飛び出す事でエンジンが掛かります。これを「飛び込み式スターター」と言いますが、アイドリングストップ機能が搭載されたエンジンの場合、このスターターが最初からエンジンに噛み合う構造になっています。これを「常時噛み合い式スターター」と言います。
飛び込み式スターター | エンジンが完全に停止した状態にならないと、スターターギアを噛み合わせる事が出来ない。その為エンジンが惰性回転している間はギアが噛めないので待つ必要があり、もたつきの原因になってしまう。 |
常時噛み合い式スターター | ワンウェイクラッチとボールベアリングを使って、ピニオンギアとリングギアを常に噛み合わせた状態にする。両ギアが噛み合うまでの時間ロスを解消する事が出来、エンジンが完全停止しなくても、再始動操作に入る事が可能。結果素早くスムーズな発信と停止が実現すると共に静粛性もアップした。 |
上記の通り、アイドリングストップ機能の仕組みはエンジンスターターが進化した事で成立しています。常時噛み合い式スターターは2010年にトヨタ・ヴィッツに採用されたのが最初になります。ブレーキから足を離してアクセルを踏むとタイムラグ無しにすぐにエンジンが再始動します。
スターター(セルモーター) | 電気を流してモーターを回転させる。役割はエンジン始動。 電気が無いと動かない為、バッテリーが上がるとエンジンを始動させる事が出来ません。 |
オルタネーター | モーターを回して電気を発生させる。役割は発電。 バッテリーに充電してくれる。 |
ところが4代目セレナの場合、スターターでは無く、オルタネーターの仕組みを改良する事でアイドリングストップの仕組みを確立しています。他と大きく違うのは、オルタネーターにスターターの機能を付随させて、オルタネーターを回転させる事でエンジンを始動する仕組みになった点です。セレナC26のオルタネーターは、発電もしてリスタートもするオルタネーターになったんですねぇ。
スターターの付いたオルタネーターの事を日産では「サブスターター&ジェネレーター」と呼んでいます。厄介なのはこのスターター機能が付いた事で、オルタネーターの価格が高くなる原因になっている事です。アイドリングストップ機能が付いているセレナとアイドリングストップ機能が付いていないセレナでは、オルタネーターの価格に倍ほども差異が生じているのでちょっとビックリです。
●故障修理の内容と費用
作業内容・部品等 | 工賃 | 部品代 |
---|---|---|
オルタネーター交換(リビルト品) | 36,000円 | 122,500円 |
ショートパーツ | 1,000円 | |
合計 | 36,000円 | 123,500円 |
消費税 | 3,600円 | 12,350円 |
総計 | 175,450円 |
ベアリングだけを交換するという修理方法もありますが、今回のセレナは走行距離140,000㎞を超えていますので、オルタネーター本体を交換致しました。オルタネーターの寿命は100000㎞(または10年)が目安になります。
そして作業ですが、上記でも起筆した様に4代目セレナのECOモーター式アイドリングストップ機構は、特殊な構造になっています。またクーラーの配管やインマニが邪魔になって、オルタネーターを取り外すのも一苦労する車種です。

バッテリー端子を外す ↓ フロントバンパーとヘッドライトを外す。 ↓ 右前のタイヤを外した後、タイヤハウス内のフェンダーライナーを取り外す。 ↓ エンジンベルトを取り外す。 ↓ プーリーを取り外す。 ↓ ウォッシャータンクを取り外す。 ↓ やっとオルタネーターが取り外せる。 ※上記は大まかな手順です。 |
●修理後の様子
リビルト品のオルタネーターに交換した後は、異音も無くアイドリングストップランプの点滅も無くなりました。
●まとめ
オルタネーターは自動車にとっては発電機になります。エンジンの動力を利用して発電し、バッテリーを充電させます。そのおかげでエアコンやカーナビなどの電装品を安定して使用する事が出来ます。
ここだけ見るとエンジンが動いている限り、ずっと電力を供給してくれるように感じますが、逆にエンジンがかからないとバッテリーが上がった状態になります。バッテリーが上がればエンジンがかかりません。エンジンがかからないという事は、オルタネーターは発電する事が出来ません。車がどういう状況下にあるかは火を見るよりも明らかですね。
オルタネーターは自動車部品の中でも壊れやすいパーツになります。先にも記述しましたが、10年または100000㎞が目安になります。今回はベアリングでしたが、ベルトやプーリーが原因になっている事もあります。バッテリーランプがいつまでも消えなかったり、ヘッドライトがいつもより暗いと感じる、エンジンの回転数が安定しない等の症状があり、バッテリーを交換しても症状が改善しない場合は、オルタネーターの発電不足が原因かもしれません。
電気系統 | ヘッドライトがいつもより暗かったり、明るさに変動がある。 |
異音 | オルタネーターを構成する部品(プーリーやベルト、ベアリングなど)に不具合が発生している場合や、オルタネーター本体の故障などが原因で異音がします。 |
エンジン | オルタネーターが機能していないと、バッテリーが充電されずエンジンの始動がスムーズにいかない、回転数が安定しない等の症状が起こります。 |
電気機器 | 車内灯が点かない、エアコンやパワーウィンドウが正常に動かない事がある。 |
症状はバッテリーに不具合がある時と似ています。テスター(バッテリー電圧を測る)やオルタネーターチェッカーを使用したり、オルタネーター特有の故障診断テストなどを行わなければ、症状を見極めるのは難しい場合が殆どです。完全に故障してしまうと車の走行中に異常が発生する危険性もあります。
お車の事で異常がみられる場合や違和感を感じられる場合は、いつでも東伸自動車にご相談下さい。車の状態(症状)は人間の体と一緒で、見た目だけではなかなか解りません。門真の整備士が問題解決のお手伝いをさせていただきます。お車に関するサポートは東伸自動車にお任せください。

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