Gクラスの歴史(G350d / G400d / AMG G63) 

  高い悪路走破性と頑丈さを誇るメルセデス・ベンツのGクラス。メルセデスベンツはドイツを拠点とする世界的な自動車メーカーです。

Gクラスの歴史は40年にもわたり、現在でも多くの方から愛されています。ちなみにGクラスの「G」は、ドイツ語のゲレンデヴァーゲン(Geländewagen)の頭文字Gを取った文字で、「オフローダー」という意味です。
このGクラスは高級SUV市場において独特なデザイン・優れた性能・高級感が多くの方から支持されており、非常に人気の車種です。

今回はそんなGクラスの歴史について記述していきますが、その中でも「G350d」「D400d」「AMG G63」に焦点を当てていきたいと思います!

●そもそもGクラスって?

 Gクラスとは…、固有名詞?グレード?なにを表しているのか、お恥ずかしながら筆者はあまり分かっていない時期がありました。この記事を読んでいる方の中にも“しっかり”とは分かっていない方もいるかもしれないので、最初にざっと説明していきます。

(分かる方はすっ飛ばして下さい!)

メルセデス・ベンツが出している車はアルファベットでクラス分けされており、日本の車のように固有の車名は付いていません。(だから分かりづらい…)

 ABCESGV
コンパクトAクラスBクラス     
セダンAクラス CクラスEクラスSクラス  
ステーションワゴンCLA シューティングブレーク CクラスEクラス   
SUVGLAGLBGLC GLCクーペGLE GLEクーペGLSGクラス 
ミニバン      Vクラス
クーペGLAクーペ  Eクラス CLSクーペ   
スポーツカー   Eクラス (カブリオレ)   
電気自動車EQA(SUV)EQB(SUV)EQC(SUV)EQE(セダン) EQE(SUV)EQS(セダン) EQS(SUV)  

 このようにメルセデスベンツの車はA~Vまでのアルファベットで分けられますが、実はこのアルファベットには意味がある事を皆さんご存知ですか?

メルセデス・ベンツの車はアルファベット表記で分かりづらい!覚えられない!という方は、このアルファベットの意味を知るとベンツの種類を一気に覚えやすくなるかも!

<アルファベットの意味>  

A:エントリークラスとして最初のアルファベット
B:「Aクラスより大きい」
C:Compact(コンパクト)のC
E:Executive(エグゼクティブ)のE
S:Special(スペシャル)のS
G:Gelandewagen(ドイツ語でオフローダー)のG
V:Van(バン)のV

意外と単純な英語の頭文字です。GクラスのGelandewagennoのドイツ語を除いて全て英語で覚えやすいので、是非覚えてみてください。

全ての種類を一旦紹介しましたが、今回ここで紹介していくお車は「G350d」、「G400d」、「G63」のGクラスの車です。G350dやG400dのように、メルセデス・ベンツの多くのモデルには“G”というクラス名の後にアルファベット3桁の数字と文字が並べられます。この英数字の意味はご存知ですか?

意味はこちら↓

3桁の数字:エンジン実質排気量

この数字は搭載されるエンジンの出力によって決められています。昔はエンジンの排気量の違いを表す数字だったそうですが、今ではターボを採用する車がほとんどの為に今の表記方法になりました。

アルファベット:ガソリン車以外のパワートレインの種類

d:クリーンディーゼル

e:プラグインハイブリッド

de:クリーンディーゼルハイブリッド

ではここで例を出して説明してみます。

例:「G350d

=「Gクラス3500㏄相当クリーンディーゼル車」という意味になります。

ちなみにこの数字は“自然吸気エンジンの場合”の排気量で、実際にはターボエンジンが搭載されている可能性もあります。

●メルセデス・ベンツ Gクラス 歴史

ここまでざっとメルセデス・ベンツの車について説明しました。

ここからがこの記事本題のGクラスの歴史について!

◆初代モデル W460 (1979年)

Gクラスの初代が発売されたのはなんと1979年。その名はW460!

起源は1973年にまで遡り、ドイツのベンツ社とオーストリアのプフ社が軽量で個人向けオフローダーを共同開発目的として協定を結んだことが始まりです。

開発のコンセプトは、「地球上のあらゆる環境に対応できる究極のクロスカントリー車を目指す」。めちゃくちゃかっこいいコンセプトですよね!

このコンセプトを元に、悪路走破性はもちろんのこと、頑丈なラダーフレーム、シンプルな構造・外装デザインが採用されました。シンプルな構造を採用した理由は修復のしやすさを考えた結果だそう。頑丈でオフローダーとしての性能を追求したので、悪路における走行性と耐久性の高さはかなり高いレベルになりました。

そして“元々は軍事用として開発された“とよく聞くGクラスですが、本当は逆という説も…!?

「乗用車としてGクラスが生産されていった中で軍事関係者が興味を示し、様々な国がGクラスを注文した」というのが本当の流れだという話もあります…。

(どちらが本当なのか気になります…。)

どちらにせよ、ここまで高い走行性と頑丈さを持っている車であれば、軍事用に使いたくなるのも納得ですね。

日本で呼ばれる名前は「ゲレンデヴァーゲン」が多いですが、これはGクラスの初代「W460型」の事を指しています。軍事用としてGクラスが正式に採用された時に、NATOが名付けた名前が「ゲレンデヴァーゲン」だったので、ここからこの名前で呼ばれる事が多くなっていったと言われています。

ちなみに「ゲレンデヴァーゲン」はドイツ語で「オフローダー」という意味です。

◆2代目モデル W463(1989年―2018年)

初代「W460」の後に発売された「W461」と「W462」は軍事用として発売された車です。

つまりW463」は民間用に発売された2代目のモデルです。初めてのフルモデルチェンジで、初代との一番大きな違いはフルタイム4WDが採用された点です。初代W460はパートタイム4WDでした。

パートタイム4WDフルタイム4WD
手動で4輪駆動に切り替え常に4輪駆動

また、ABS・電子制御デフロックも追加されて走行性能もアップ!

ABS電子制御デフロック
急ブレーキをかけた時にハンドル操作が効かなくなるのを防ぐシステム。 (ABSが搭載されていないと、急ブレーキをかけた時にタイヤがロックされハンドル操作ができなくなってしまう)  左右どちらかのタイヤが空転したときに、左右両方のタイヤの回転数を同じにしてスタックした際に抜け出しやすくする。

⇒地面に接地しているタイヤにも駆動力を伝える。
(通常の場合タイヤは独立して動いており、デファレンシャルギヤというシステムによって空転しているタイヤにばかり駆動力を伝えようとする)

 この他にも、オーバーフェンダー・ラジエーターグリルなども変更されています。

この2代目モデル「W463」は、2018年まで28年間のロングランを走り続け「ゲレンデ」「Gクラス」の代表格ともいえるモデルです。内装も豪華になり、W463でラグジュアリーSUVとしての性格が強まったのではないでしょうか。

<マイナーチェンジ>

1990年にV6モデルとして発売され、1992年のマイナーチェンジでV8型エンジンを搭載した「500GE」というモデルが限定発売されました。このモデルは世界で446台限定、日本国内では50代限定です。ちなみに「500GE V8」は、2023年にドイツで歴史的文化財に指定されています。(すごい!)

その後も1995年に「G320」、1998年に「G500」に変更される変遷を経ています。

「G320」は2006年に消滅。2013年に「G500」は「G550」に名称が変更されました。

◆G350dの登場

2011年、2代目「W463」系のモデルから「G350d」が登
場しました。Gクラスディーゼルエンジンモデルとして、実用性とラグジュアリー性を兼ね備える存在になったモデルです。

ちなみに、「d」がついていない「G350」というモデルもありますが、この二つの違いは燃料がディーゼルかエンジンかの違いです。

 G350G350d
燃料ガソリンディーゼル
エンジン3.5L V型6気筒(初期)3.0L V型6気筒 ⇒直列6気筒
パフォーマンス高回転でスムーズな走行低速トルクが強く燃費性能に優れる
ターゲット都市部での利用・ラグジュアリーSUVとして長距離走行やオフロード
総括主にエンジンの快適性や静粛性を求める顧客向けに作られたモデル。 現在はG350dが主流。トルク性能と燃費効率によって幅広い用途で評価される。 現在ではGクラスの主力ディーゼルモデル。

そしてG350dは2018年にフルモデルチェンジをしています。

初代G350dと2018年にフルモデルチェンジされた現行のG350dの違いをまとめてみましょう。

 初代G350d現行G350d
エンジンOM642OM656
形式3.0リッター V型6気筒ターボディーゼル3.0リッター 直列6気筒ターボディーゼル
出力211馬力286馬力
トルク540Nm600Nm
特徴耐久性に優れ、効率的な燃費性能。 排ガス規制適合のために。DPF(ディーゼル微粒子フィルター)・尿素SCRシステムの採用。最新ターボチャージャー技術を採用、トルクの立ち上がりが迅速に。 尿素水を利用したシステムで排出ガスを浄化 静粛性と振動抑制技術の向上。

G350dは外装と内装に施された、伝統的なデザインと最新技術の融合が特徴的!


外装
⇒直線的でクラシックなデザインを残しながらも、最新のLEDライトやエアロダイナミクスの改良
⇒外部ヒンジやスペアタイヤキャリアなどの、Gクラスの象徴であるデザインを継承

内装

⇒プレミアムレザーシート、マルチカラーLEDアンビエントライトの採用
⇒インフォテインメントシステム「MBUX」 の採用(12.3インチのワイドディスプレイ×2)
⇒シートヒーター、ベンチレーション、マッサージ機能付きシートの採用(オプション装備)。

圧倒的なオフロード性能、高い耐久性と燃費効率を誇り、加えて内外装の高級感を持ち合わせるG350d!魅力たっぷりで起筆しながら筆者も欲しくなってきてしまっています…。

こんな人にオススメ!

  ・オフロード走行をよくするアウトドア派
・長距離移動が多い旅行好きな方
・Gクラスらしい伝統的なデザインが好きだけど、同時に最新技術やデザインのラグジュアリー性も欲しいと思っている方

デメリットを上げるとすれば高価格帯であることと、交通量が多い都市部や狭い住宅街では乗り回しが難しくなることではないかなと思います。

◆G400dの登場

(※2024年7月新型発売により、G400dはG450dの名前になっています。)

G400dは2019年に登場したモデルです。Gクラスの中では比較的新しいモデルですね。

Gクラスの中でも高い人気を誇り、中心的なディーゼルモデルとなっています。実用性と高級感を両立させていて、“Gクラスらしさ“を残しながらも現代のニーズに合わせた進化を遂げているような車です。


G400dが誕生した背景

・排出ガス規制がヨーロッパで広がる


⇒より排出ガスを出さない車が必要になった
・従来存在していたG350dよりもさらに力強い選択肢を増やすため

などの背景が考えられるのではないかと思います。

ちなみにこの400dは、W463型にラインアップされたモデルで、ベースグレードは先ほどご紹介したG350dです。

スペックはこちら↓


スペック

エンジン : 「OM656型」 3.0リッター直接6気筒ディーゼルターボ
排気量 : 2,925cc 最大出力 : 330馬力(243k「W)
最大トルク : 700Nm(低回転から発揮)
9速オートマチックトランスミッション(9G-TRONIC)と組み合わせ可能 ⇒滑らかな加速と優れた燃費性能

OM656型エンジンとは?

Gクラス発売当初から、実は大きな柱になっていたのはディーゼルエンジンの採用でした。初代W460型のディーゼルエンジンに搭載されたのは「OM617型」です。 その後もヨーロッパ市場でのディーゼルエンジンの人気は高まっていき、開発されたのがG400dの基盤を支える「OM656型エンジン」です。

これはメルセデス・ベンツの新世代ディーゼルエンジン技術の集大成
とも言われていました。

特徴
・アルミニウム製ブロックとスチール製ピストン⇒軽量化と耐久性の両立
・2段式ターボチャージャー⇒小型ターボと大型ターボの組み合わせにより、高いレスポンスとパワーを可能に
・AdBlue技術⇒SCRシステムによってNOx排出削減。EURO6d-TEMP規制に対応
・低燃費・高効率⇒ 以前のエンジンに比べて燃費効率が約13%アップ  

このG400dは世界でも高い評価を受けていて、今までも素晴らしかったオフロード性能だけではなくて、都市での高級SUVとしても人気です。

特にヨーロッパ市場では、環境に配慮しながらも同時に力強さを持っているという点で需要があり人気が高いようです。

●AMG G63の登場

メルセデス・ベンツAMG G63は、メルセデスAMGが開発したハイパフォーマンス車のうちの一つです。

初代G63が登場したのは2012年のことで、この車も2018年にフルモデルチェンジし、現行型のG63になっています。


現行型G63 スペック (W463A型)


エンジン:4.0リッターV8ツインターボエンジン搭載(W177型)
最大出力:約577馬力
加速:0-100km/h 加速が約4.5秒
最新9速オートマチックトランスミッション採用
「マニュファクトゥール」プログラムによって顧客の好みでカスタマイズ可能

メルセデスAMGとは


メルセデス・ベンツのサブブランド。元々レース車両を手掛ける会社として創立された独立企業「AMG」がベンツへの商品供給などが行い、最終的には吸収合併でベンツの傘下に入っています。

元々レース車両を手掛けていただけあって、レース仕様のエンジンやサスペンションを搭載しており、非常に高い走行性能を誇ります。究極のハイパフォーマンスモデルとしてベンツ各車種の最上級グレードに君臨しています。

ちなみに読み方は「アーマーゲー」ではなく「エーエムジー」だそう。

メルセデスAMGとAMGラインの違いは?

ちなみに「AMG」とは違う、「AMGライン」というものも存在します。サブブランドとしてのAMGとどう違うのでしょうか?

AMGラインとは、通常のメルセデス・ベンツのモデルに追加オプションでバンパーやホイール、シートなどをAMGライン専用のものに変更している車のことを指します。この変更のおかげで、見た目は本物のAMGにかなり近づけることができます。 ただエンジンはメルセデス・ベンツのものなので、AMGの車と乗り心地を比べると、エンジン音や走行性、乗り心地にはかなり違いがはっきり表れます。

2022年7月28日には、G63に特別モデル「G63 AMG Edition 55」が登場しました。メルセデスAMGが設立されて55周年を迎えた記念の限定モデルです。

こちらの車は台数が200台に限定されていたので、コレクターアイテムとしてかなり価値の高いものになっています。

ベースは「AMG G63」ではありますが、特別なエンブレムが車外車内ともに配置され、内装の仕上げは通常のG63とは全く違うようなものにデザインされています。

●まとめ

Gクラスの新車を買おうとすると2024年の段階では概ね3~4年ほどかかると言われています。販売店によっては納車待ちの数が100件以上ある場合もあるようです。日本だけでなく海外でも人気はかなりあるので、生産ラインがかなり忙しく、全世界での納期が長期化していると言われています。

ちなみに新型Gクラスが今年2024年の7月に発表されましたが、それまでは数か月間Gクラスの受注が中止されていました。切り替えの時期だったので、販売から姿を消していたんですね。

今回紹介したGクラスは、ドイツの「シュトゥットガルト」という地域にある「シェックル試験場」という場所でテストが行われています。

シェックル試験場では、砂利、岩場、ぬかるみ、過酷な坂道等の世界一厳しい環境が用意され、Gクラスはそれをクリアすることで走破性を保証しています。

走破性を保証しているのはそれだけではありません。

皆さんは「パリ・ダカールラリー」という競技をご存知でしょうか。これは“世界一過酷なイベント”として知られているもので、厳しい暑さの中で砂漠、泥濘地、山岳地帯といったあらゆる道を含む800kmの道のりを走る競技です。もちろん1日で走破できる距離ではないので、約2週間にわたってラリーをします。

1978年に開催されたこのラリーですが、元々のルートはパリをスタート、サハラ砂漠を通ってアフリカ大陸にあるセネガルの首都、ダカールまでの道のりだった為、「パリ・ダカールラリー」と呼ばれるようになったようです。

しばらくして開催地域では政情が不安定になり2009年~2019年は南米での開催、2020年には中東・サウジアラビアでの開催になっています。

このラリーでは車の耐久性や悪路走行性だけではなく、ドライバーの運転テクニック、精神・肉体的な強さ、トラブルに対応できるメカニックとしての知識や経験が試されます。

車、ドライバー、共に限界まで試されるような競技です。完走率はなんと50%と言われています。(むしろ筆者は50%も完走できるんだと思いました。)

このあまりにも過酷すぎる競技で…

1983年にGクラス(280GE)は総合優勝を果たしています!これをきっかけに、Gクラスの強さ、タフさが世界中に知れ渡ったとも言われています。

そしてそして、Gクラスの製造では多くの工程を手作業で行っていることはご存知でしょうか!

最初に、Gクラスは製造が追いつかず新車を買うと長い期間納車まで待つことになると言いましたが、その原因にはこの愛のこもった“手作業”という工程も大きい部分ではないでしょうか。

Gクラスの生産ラインに見学に行くと、まず驚くのが人の多さです。昨今では人が機械をオペレーターし、作業するのは機械、というようなところが多いですが、Gクラスの生産ラインでのメインは人力です。

オートメーション化することも何度か検討したようですが、オートメーション化すると一旦生産ラインを止めることになるので今まで通り人力で行っていこうということになったようです。常に供給が追い付いていない状況で生産ラインを止めると、更にお客様を待たせてしまうと考えているようです。

また、1台ずつ手作業で組み立てるというスタイルはGクラス生産初期からのもので、作業員の熟練具合や丁寧に組み上げることにプライドを持っているそう。

“こんなに人気で頑丈なGクラスが、丁寧に手作業で組み立てられている“というのもGクラスの魅力の1つだと筆者は思います。

●2024年にGクラス新型発売

今年2024年3月、メルセデス・ベンツはGクラスの新型を発表しました。その発表が行われるまでの数か月間の間はGクラスの購入ができなくなっていたので、その時期のちょうど購入を考えていた方はびっくりしたかもしれません。

今回の新型は2018年に発売された2代目Gクラスのフルモデルチェンジ以来、6年ぶりとなるアップデートになりました。

この2代目Gクラスのフルモデルチェンジの際も、Gクラスならではの堅牢なラダーダム構造、優秀な悪路走行、そしてなにより目立つ角張った武骨なボディーなどの伝統的な特徴は継承されていました。

デビューして45周年を迎える2024年に発表された最新モデルでもこの伝統的な特徴を引き継いでいます。その上で改良された部分を少し深堀していきます。

ちなみに、メルセデスAG チーフ・テクノロジー・オフィサー兼製品開発・サプライチェーン担当取締役のマルクス・シェーファーさんはGクラスの新型についてこのようにコメントしていました。↓


「新型Gクラスはオンロード・オフロードでも真のアドベンチャーを実現するため、今回その開発目標を大きく引き上げる事になりました。電動化されたドライブイン、先進的な『MBUX』インフォテインメントシステム、快適装備やオフロード機能の充実など、ゲレンデヴァーゲンから続くサクセスストーリーを継続する体制が整ったと言えるでしょう。新型Gクラスは卓越したドライビング体験だけでなく、最先端のデジタル体験までをも兼ね備えているのです。」

期待大…!!では改めて、改良された部分を見ていきましょう。

◆全モデルのマイルドハイブリッド化

まず改良点1つ目、パワーユニットが全車マイルドハイブリッド化されました。

マイルドハイブリッドとは

欧州車を中心に増えている。
マイルドと呼ばれる理由は、モーターの出力が控えめ(=マイルド)ということからです。一般的なハイブリッドシステムよりも小型で出力やバッテリー容量が小さいモーターを搭載した簡易型のハイブリッドシステム。
一般的なモーターとの大きな違いは、マイルドハイブリッドはモーターの力だけで走行することがない点と、低コストであるという点。

例えば日本に初めて導入されたG450dローンチエディションとAMG G63ローンチエディションは、前者が3L直列6気筒ディーゼルエンジン、後者は4LV型8気筒ツインターボエンジンを積んでいますが、両者ともISGと48V電気システムと組み合わされることになりました。

これがマイルドハイブリッド化ということですね。ついにGクラスの電動化です。

発進時のトルクが強くなるので、オフロード走破性が高められているとのこと。

そして加速の滑らかさ、静粛性と燃費もマイルドハイブリッド化によって向上されます。

◆『MBUX』導入

MBUCとは、メルセデス・ベンツ・ユーザー・エクスペリエンスのことです。

「ハイ、メルセデス」と呼びかけるだけで起動し、いつもの会話のように「ちょっと寒い」「ごはんに行きたい」などど話しかけるだけで、車両の設定やインフォテインメントシステム機能が簡単に操作できるものです。


MBUX機能一覧

・自然対話式音声認識機能 ※Gクラス初採用
⇒普段の会話のように話しかけるだけで車両の設定・インフォテインメントシステム機能を簡単に操作  

・予測提案機能
⇒行動と好みを学習し、勤務先やよく立ち寄るお店を目的地の候補として自動で提案・ナビゲーション。よく聞くラジオ局の提案などもしてくれます。

  ・インターネット情報表示地図機能
⇒ナビゲーションの地図上に、料金情報付きのガソリンスタンド、天気情報などを表示し、知りたい情報を一目で認識できます。

  ・パーソナライゼーション機能
⇒普段乗っている車(MBUX搭載車)の車両設定・ナビゲーション設定をサーバーに保存し、快適な環境を素早く設定できるようになります。

◆3つのオフロードモードが追加

路面や走行状況に応じて瞬時にドライブモードを切り替えることのできるDYNAMIC SELECT(ダイナミックセレクト)というシステムに、「Trail(トレイル)」「Rock(ロック)」「Sand(サンド)」の3つのモードが追加されました。

 従来の型は「コンフォート」「スポーツ」「エコ」「インディビジュアル」の4つのモードだったので、合計7つのモードから選べるようになったということですね。


◎Trail(トレイル)  ⇒未舗装路や砂利道を走るのに適している
◎Rock(ロック)  ⇒硬い岩など、不整地を走るのに適している
◎Sand(サンド)  ⇒砂利の道を走るのに適している

今回の追加で、乗り心地の快適性やオフロードでの機動力が更に引き上げられています。

◆最新オフロードコックピット搭載

オフロード走行時にセンターコントロールボタンで呼び出せば、必要な情報(有益な方位や角度や車体角度や空気圧等の車体各種情報、デフロックの状態)を眼前のディスプレイに表示します。

◆トランスペアレントボンネット

360度のカメラで撮った映像をベースにして、直接目視出来ないボンネットの向こう側や路面状況などを映し出して、オフロード走行をアシストしてくれます。

このように最新のインフォテインメントシステムと取り入れているので、更なる快適な車内空間を作り出すことが可能になりました。

是非体験してみたいものです!

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