【TOYOTA ハイエース SUPER-GL】エンジンチェックランプとDPF警告灯はターボの異常が関係してる⁉門真の整備士が原因究明に着手!!

 今回お客様からお預かりしたお車はTOYOTAトヨタ「ハイエース SUPER-GL」です。ハイエース=商用車と言うイメージをお持ちの方も多くいらっしゃると思いますが、今やハイエースは仕事のみならず、プライベートでも愛される車としてその地位を更に確固たるものにしています。

 その中でも「SUPER-GL」は最上級グレードの車として多くの人に愛されています。内装は上質で、装備は大変充実しています。そしてパワートレインにはガソリンとディーゼルの両方が有ります。ディーゼルエンジンは大きなトルクを発揮しますので、パワフルな走りと燃費の良さが持ち味(長所)ですが、どうしても高回転域でのパワー不足が欠点となってしまいます。それを補ってくれるのが、ターボとの組み合わせです。ディーゼルエンジンはターボと相性がいいと言われていますが、果して今回はどの様な異常が見られたのでしょうか?DPFとターボの関係に門真の整備士が迫りたいと思います。

メーカー・ブランドTOYOTAトヨタ ハイエース
SUPER-GL
型式LDF-KDH206V
エンジン
(パワートレイン)
1KD-FTV(ディーゼルエンジン)
使用燃料:軽油
最高出力:3400rpm
最大トルク:1200~3200rpm
年式・初年度登録 2010年
走行距離 138760㎞

エンジン警告灯(DPFランプ)が点灯。
加速しない。
異音がする(アクセルを踏み込んだ時に異音がする)。

 エンジンチェックランプ、DPFランプが点灯していましたので、ココだけ見ればDPFの強制再生が必要か?と判断出来ますが、今回は「異音がする」との症状もありましたので、アクセルを踏んで確認してみました。

 定常運転から加速運転(ターボがかかる)に移行するあたりで、お客様がご指摘されていた「異音」が確認されました。「シャー」と言う異音がしています。ロードテストもしてみましたが、やはり過給圧(ブースト圧)がかかると、加速感が鈍りはじめますので、ブースト圧漏れだと判断されます。エンジンチェックランプとDPFランプも点灯したままです。

 異音がするあたりを確認してみる事にしました。どこから漏れているのかわかりませんので、ブースト圧漏れは見つける迄少し時間がかかります。ハイエースは前列シートの下にエンジンとターボがありますので、運転席シートやエンジンカバーを取り外していきます。

 ターボパイプ(配管)近くに、オイルが飛び散った様な跡が見受けられます。更に確認を進めるとターボホース(樹脂製)が破損しているのが確認出来ました。

 走行距離が130,000㎞を超えていますので、経年劣化によるものだと思われます。これでは過給圧(ブースト圧)が漏れてしまいますので、加速しないのも頷けます。エンジン警告灯は、過給圧(ブースト圧)が低下してしまう事が原因でした。

  • エンジン警告灯の原因は、ブースト圧不足(=過給圧漏れ)が原因。ターボチャージ過給圧異常
  • ブースト圧低下の原因は、ターボホースの破損。
  • ターボホースの破損でパワー不足になり、出力が低下した。結果アクセルを踏んでも加速しない。
  • 過給圧(ブースト圧)不足の為、燃料調整が出来ず、結果DPF装置に影響。

 ターボホースを交換し、残留エラーを消去します。その後回転数を上げていき、ブースト圧がちゃんと上昇すると同時に、警告灯が点灯していない事が確認出来ました。ではなぜDPFの異常を知らせるチェックランプまで点灯したのでしょうか?

 ターボ系にトラブルが起こる事で十分に燃焼せず、その結果DPFに負荷がかかったと思われます。排気ガスの再循環システムは、車外に排出されるはずのガスの一部を利用してタービンを回しています。その回転力がベアリングを通じてコンプレッサーを駆動させ、空気を圧送しています。この圧縮された空気をエンジンに取り込む事でエンジンのパワーアップに繋げているのがターボ(過給機)です。

 ターボホースが破損しているという事は、過給されるはずの空気が抜けていくわけですから、十分にパワーを発揮する事が出来ません。エンジンは加速状態に入ろうとしているのに、それに必要な空気は来ない(吸入空気量不足)事で出力は低下します。加速しないとドライバーは「あれ⁉」と思って更にアクセルを踏み込みます。そうすると燃料が供給されます。これにより空燃比が一時的にリッチ状態になります。時にはこれが白煙の原因にもなります。

 正常な燃焼をしないという事は、還流している排ガスの中に含まれるスス(PM)が、EGRバルブ等に固着して詰りの原因になります。徐々に正常な吸排気が出来なくなります。次に排気温度が異常になり、またスス(PM)の量が増えると言う悪循環を起こします。

 スス(PM)は本来、DPFがフィルターになって大気中に放出されない役目を担っていますが、DPFにも限界がありますので、いずれ目詰まりを起こします。今回ブースト圧が上がらない事(ターボ異常)で、DPFに影響が出てしまい、今回の症状を引き起こしていた事が明らかになりました。

 最後は、DPFクリーナーを施術して修理は完了です。

 

作業内容・部品等工賃部品代
エンジン警告灯 診断30,000円
ターボ ホース 交換24,000円8,500円
クランプ類5,800円
ショートパーツ2,000円
DPFクリーナー12,800円
合計54,000円29,100円
消費税5,400円5,400円
総計91,410円
2024年12月現在

 修理後、ロードテストを実施したところ、問題無く加速する事が確認出来ました。お客さまにも運転して頂き、修理後の状態をご確認して頂いたところ、愛車が元通りになられた事を大変喜んでくださいました。

 低回転域で高いトルクを発揮するターボ車は、パワフルで且つストレスフリーな加速が魅力です。そんなターボ車に魅せられているドライバーも多いのではないでしょうか。ところが何年か乗る内に「以前はもっと元気に走っていたのになぁ~」なんて感じる事はありませんか⁉

 今回交換したターボホースは、圧縮した空気を送るパイプですので、耐圧性や耐熱性が求められるハードなポジションに位置しています。その上エンジンからの振動を吸収する役割も担っている事から「ターボホース」と一言で現わしても、実態は複数の部品で構成されています。

 お車の使用環境や年数によっても劣化具合は違ってきますが、ホース本体は樹脂製の為、経年劣化で亀裂やひび割れ、硬化を起こします。タービン周りにはたくさんの細いバキュームホースが繋がっていて、これらのホースがブースト圧を伝えてくれていますが、時にはホースが抜けてしまっていたり、先述した様に経年劣化で傷んでいる(亀裂・穴・硬化等)事があります。こうなるとエアーが漏れてブースト圧が逃げてしまいます。

 もし、お車に乗られて、「車に元気がないな」「以前より遅いなぁ~」「加速しないなぁ」と感じられたら、一度点検する事をご検討下さい。「何が(どこが)悪いかわからないけど、違和感がある。」それだけでももちろんOKです。お車に関するお悩み等ございましたら、お気軽に東伸自動車までご連絡下さい。

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